神様の家系図|イザナキ・イザナミ

前回、あなたがお参りにいく神様のルーツで、古事記を紐解いて「神様の家系図」が作成できるという話をしましたが、今回は、イザナキ・イザナミに焦点をあてててみました。

国土や神々を生んだ最初の夫婦神

伊邪那(いざな)岐(きの)神(かみ)(イザナキ
伊邪那(いざな)美(みの)神(かみ)(イザナミ
延命長寿・夫婦円満・安産・縁結び・商売繁盛・出世開運など
代表的神社:多賀大社 滋賀県犬上郡多賀町

イザナキとイザナミは、神話の中で一番初めに登場する夫婦神です。そのため、結婚の神など言われています。そして、結婚後、「国生み」や「神生み」を行ったことから、国堅めの神、生命の祖神ともされています。

イザナキとイザナミを祀る滋賀県の多賀大社は、昔から「お多賀さま」と人々に親しまれてきました。お多賀さまは、近江商人の篤い崇敬も受けてきました。関東、東北方面へ長い行商に出た商人たちは、出発に際して、必ず旅の安全と商売繁盛を祈願しました。イザナキ・イザナミは、諸神の生みの親なので、行く先々で様々な神の守護を受けられるとされました。

部下とご飯を食べに行く意味

イザナキとイザナミといえば、黄泉の国でのストーリーが有名です。
黄泉国のかまどで煮炊きしたものを口にすると、死者の仲間入りとなり、この世には帰ってこられなくなるという信仰のことをヨモツヘグイといいます。イザナミも、イザナキが迎えに来たときには、既にヨモツヘグイをしてしまったので、一緒に戻れないといっています。

日本には、古くから「別火」という考え方があります。ケガレというものは、火を媒介にして体に入ってくる。別火の精進といい、重要な事を行うとき、身を清めるため、また自分のケガレを他に移さないようにするため、家族とも食事を作る際など別の火を使う。「同じ釜の飯を食った仲」と言うが、同じ釜の飯には、実は深い意味があったようです。職場の人と一緒にご飯を食べに行くのもなんだか意味深い気がします。

呪力を持った果物「桃」

また、イザナキが追ってくるイザナミに最後に投げる桃は、中国の神仙思考の影響を受けています。桃は呪力を持った果実だと考えられています。三月の雛祭りに桃を飾るのも綺麗というだけでなく、呪地からを追い払う効用があると考えられてのこと。そしてあの有名な鬼退治をしたのも桃から生まれていますよね。

桃といえば、邪馬台国の最有力候補地とされる纒向(まきむく)遺跡(奈良県桜井市)の中心的施設跡で出土した2000個ほどの桃の種。九州説などもあるが、邪馬台国の場所は、もうこの場所で間違いないのではないか。

(黒川総研 系図倶楽部より)