神様の家系図|スサノオ

前回、あなたがお参りにいく神様のルーツで、古事記を紐解いて「神様の家系図」が作成できるという話をしました。今回は、スサノオにフォーカス。

悪の元祖と英雄の顔を持つスサノオ(建速須佐之男命)

水難・日難・病難除去・商売繁盛、五穀豊穣、文学、学問上達、縁結びなど
代表的神社:八坂神社 京都市東山区祇園町

イザナキから生まれたアマテラスを姉にもつスサノオ。アマテラスとスサノオの間にツキヨミもいます。こちらの神様は、アマテラスとスサノオがあまりに有名なので知名度が少々落ちます。

末っ子のスサノオは、神様とはいえ、最初の登場は、乱暴で幼児的な神でした。しかし、目に余る乱暴ぶりにより、姉のアマテラスから高天原を追放された後、スサノオは大きく変貌を遂げます。出雲国では、策略を用いてクシナダヒメを助けるという、知恵と勇気を持つ英雄神になります。この有名なヤマタノオロチの神話の怪物は自然の驚異であり、ヒメはその自然の力を制御して実現する美しい稲田(豊穣)の象徴であるとされています。

日本最古の歌

ヤマタノオロチを退治した後にスサノオが詠んだ歌
「八雲立つ 出雲八重垣、妻ごみに 八重垣作る その八重垣を」
こちらは、日本で最初に詠んだ歌といわれています。意味は、幾重にも重なった八雲に湧き出る雲が八重垣となる出雲に妻と共に住むという解釈とされています。怪物を退治する力を持つだけでなく、歌を詠むといった文化的要素も兼ね備えているスサノオ。当初、母イザナミが黄泉の国に行き悲しくて泣いて大暴れしていた頃とは随分異なります。

そしてこの妻・クシナダヒメとの間にできた子供の名前は、八島士奴美神といいます。この5代後に生れたのが有名なオオクニヌシです。

(黒川総研 系図倶楽部より)