戸籍以上のルーツをさかのぼりたいとき

正式な家系図を作成するには、まず戸籍をさかのぼっていきます。だいたい、幕末生まれのご先祖様のお名前まで判明することが多いのです。それ以上さかのぼりたいときは、過去帳お墓を調査。その後、武士か農民か町人かで見るべき資料が変わってきます。ご先祖様が農民か町人である場合には、宗門人別改帳という古文書にあたってみるとご先祖様の記載を見つけることができるかもしれません。

菩提寺と本家にある過去帳

過去帳は、寺院で檀家の死者の戒名や俗名、没年月日など記載してあるものです。宗派によって、「霊簿」「点鬼簿」などと呼ぶ場合もあります。
お寺にある過去帳は、檀家全体の分が記載されているのでかなりのボリュームになります。そして、供養のために記載するので、家ごとではなく、日や月ごとに記載しています。このお寺の過去帳を見ることは、お寺の檀家全員のご先祖様の名前を見てしまうことにもなり、最近ではなかなか開示はされません。

また、各檀家に「過去帳の写し」がある場合もあります。こちらは、続柄が書いていない場合があります。そんなときは、生没年や戒名、俗名などがかかれた位牌や墓誌と照らし合わせて読むとよいでしょう。

宗門人別改帳

宗門人別改帳とは、江戸時代の戸籍みたいなものです。目的は、キリシタン弾圧のために作られたもので、どの家のものがどこの檀家であるか台帳として残していました。信仰の自由のない当時は、強制的にどこかのお寺を菩提寺として、檀徒になることを義務付けていたのです。

宗門人別改帳は、幕府が藩主へと作成を命じたのですが、実際には各地の名主や庄屋といった村役人が取りまとめていました。呼び方は、地方によって異なり「宗旨人別改帳」「本百姓宗門改帳」などと呼ばれている場合があります。内容は、「氏名」「年齢」「社会的立場」「出生」「婚姻」「死亡」「転居」などが記載されています。また奉公人などその家に住んでいるすべてが対象となっていました。

その他、村の役人が年貢の徴収などのために作成していた資料があります。
例えば、耕作地の石高を調べた「検地帳」。こちらは、「耕作地の面積」「所有者」などが記載されています。村の概要が記された「村明細帳」「村鑑」などの資料もあります。

ただ、残念なことにかなり入手が困難な資料です。古い資料なので現存している可能性も低いです。村単位で作成されたということもあって、大量につくられた割には残存数が少ないといわれています。また、保管場所も決められているわけではありません。図書館や博物館、当時の名主のご子孫に問い合わせてみるともしかしたら、目にすることができるかもしれません。

(黒川総研 系図倶楽部より)