相撲のルーツ

稀勢の里。17年春場所の横綱初優勝の時は、怪我をおして出場し逆転優勝をした姿に心を打たれました。日本出身の横綱として、頑張って欲しいと思っていましたが、怪我がよほど重たかったのでしょう。横綱になってから本来の相撲が取れずとうとう引退。今回一片の悔いもないと涙を流し引退を決意した彼の姿には、何とも言えない複雑な気持ちになりました。今回は、相撲のルーツについて。

古事記や日本書紀に相撲の起源が

相撲は人間の闘争本能からくる力くらべや取っ組み合いから発生した伝統競技です。これによく似た形態の競技は古来より世界各地で行われていました。

相撲の起源として、古事記日本書紀の中に書かれています。
・古事記の国譲りの神話・タケミナカタとタケミカヅチの闘い
・日本書紀・スクネとクェハヤの闘い

相撲は、格闘そのものだけでなく、人々の社会のなかでも重要な役割を担ってきました。その年の農作物の豊穣への祈願と収穫を占う祭りの儀式として、毎年行われてきました。これが後に宮廷の行事となります。

武家の時代

相撲は、武士によってたしなまれる「武道」以上に、専門的な相撲人によって演じられる「芸能」であり、武将達の娯楽の1つでした。ご存じ信長も、相当な相撲好きだったようで、安土城下などに相撲人を集めてしばしば上覧相撲を催していました。そして、勝ち抜いた者を家臣として召し抱えていました。

江戸時代

18世紀末には、江戸を中心に相撲の興行の体制が整っていました。優れた技量を誇る専門の力士達がそろい、定期的に相撲が興行されました。 相撲取りで苗字公称が許された・谷風梶之助・雷電為右衛門・小野川喜三郎などの強豪力士が現れ、相撲の人気は益々高まりました。

最後に

日本の文化に深く根ざしている相撲。競技という側面だけではなく、神事や祭礼・文化・歴史など深く絡み合っている伝統競技。これからの相撲界に期待していきたいです。

ちなみに、富山に住む祖母に会ったときは、高砂部屋の朝乃山の話で盛り上がります。富山出身の力士で得意技は寄りです。

 

【参考図書:相撲の誕生 長谷川明 青弓社・/相撲の歴史 新田一郎 山川出版社】

(黒川総研 系図倶楽部より)